子育てにお金がかかりすぎることに、悩むご家庭は多いです。
実際には、教育費に加えて子どもの食費や衣料費など、日常の出費も家計を圧迫する大きな要因になっています。
そこで本記事では、子育てにお金がかかりすぎる主な理由と、家計の負担を減らすための4つの見直しステップを紹介します。
- 習い事や塾代が家計を圧迫しているが、見直し方がわからない
- 子どもに良い経験をさせたいけれど、自分のためのお金が削られて苦しい
上記のような悩みを抱える方は、本記事を読むことで、家計と向き合うヒントが得られます。
子育てにお金がかかりすぎる理由
子育てにお金がかかりすぎる理由を、4つ解説します。紹介する理由は、以下のとおりです。
- 複数の習い事代
- 高額な塾代
- 見落としがちなちょこちょこ出費
- 上がり続ける私立大学の授業料
出費の背景を知ることで、どこに家計の負担が集中しているのかが可視化され、見直すべきポイントが明確になります。ぜひ参考にしてください。
複数の習い事代
習い事が増えることで、子育てにお金がかかりすぎると感じやすくなります。
「子どもの可能性を広げたい」「子どもの将来のためにお金を惜しみたくない」という思いから、複数の習い事を続ける家庭が多いためです。
たとえば、小学生未満のうちにピアノ・水泳・英会話など、3つ以上の習い事に通うケースはめずらしくありません。
仮に2つの習い事をし、月謝で計2万5,000円を払うとすると、年間で30万円になります。6年間続ければ、180万円の計算です。
習い事の数が増えるほど、長期的にも家計への影響が大きくなることを意識しておきたいところです。
高額な塾代
小学生になると、中学受験を見据えた塾通いで、子育てにお金がかかりすぎると感じやすくなります。
特に首都圏では通塾が当たり前になりつつあり、早い段階から費用がかさみやすいでしょう。
実際に、首都圏の私立・国立中学受験者数は増加傾向にあり、2025年の受験率は18.10%と過去2番目の高さを記録しています(※)。
一般的な中学受験塾の費用は年間約100万円とされており、小学4年生から通えば、6年生までに300万円かかる計算です。
さらに、家庭教師の併用や夏季・冬期などの追加の講習費が加わると、年間で200万円近くになる場合もあり、一般的な家庭にとってかなり重い出費です。
※参照:1998~2025年入試までの受験者数の推移(私立・国立中学校)|首都圏中学模試センター
見落としがちなちょこちょこ出費
見落としがちなちょこちょこ出費で、子育てにお金がかかりすぎると感じやすくなります。
「これくらいなら」と気軽に使ったお金でも、積み重なれば予想以上の支出になるからです。
たとえば、数百円のお菓子やガチャガチャ、一人あたり1,000円程度の外食を家族で重ねると、月1万〜2万円を超えることもあるでしょう。
さらに、スマホゲームや動画アプリの課金など、デジタル関連の出費も無視できない存在です。
実際に筆者の家庭でも、子どもに「毎月いくらまで」と上限を設けてゲーム課金を許容しています。
本音ではゼロにしたい気持ちもありますが、「周囲との会話に入れず寂しい思いをしてほしくない」と考え、一定の支出を認めることにしました。
上がり続ける私立大学の授業料
私立大学の授業料が上がり続けているため、子育てにお金がかかりすぎると感じやすくなります。
大学進学にかかる費用が増えている一方で、親の所得は伸びにくく、家計の負担感が年々高まっているからです。
文部科学省の調査によると、大学の授業料はこの30年あまりで大きく上昇しています。
以下は、私立大学と国立大学それぞれの、年間授業料の平均を比較した表です。
| 区分 | 平成元年 (1989年) | 令和3年 (2021年) | 増加額 |
|---|---|---|---|
| 私立大学 (年間授業料) | 約57万円 | 約93万円 | +約36万円 (約63%増) |
| 国立大学 (年間授業料) | 約34万円 | 約54万円 | +約20万円 (約59%増) |
このように、私立大学では36万円、国立大学でも20万円の上昇が見られます。
特に私立大学は選択肢として身近な存在である一方、費用負担のインパクトは大きく、家計への影響も無視できません。
国公立大学は狭き門のため、私立進学も視野に入れるなら、早めの情報収集が必要です。
教育費の積立や制度の活用など、できる備えを進めておくことが大切になります。
子育て世帯の家計を見直すための4つのステップ
子育て世帯の家計を見直すための、4つのステップを解説します。紹介する方法は、以下のとおりです。
- 費用の見える化
- 出費は価値観で線引き
- がんばらない節約
- 公的支援制度の活用
家計の状況や支出の優先度を整理することで、ムリのないペースで改善を進めやすくなるので、ぜひ参考にしてください。
1.費用の見える化
子育て費用を見える化することで、家計を見直しやすくなります。
支出の内訳や金額を記録すれば、どこにお金がかかっているのかを具体的に把握できるからです。
たとえば、家計簿アプリを使って銀行口座やクレジットカードと連携すれば、毎月の出費を自動で集計でき、手間なく管理できます。
また、制服代・修学旅行費・習い事の道具の買い替えなど、見落としがちな大きな出費も可視化しやすくなります。
数年前までさかのぼって確認できるアプリもあるため、次に備える意識にもつながります。
費用の見える化は、無理のない家計の見直しを始めるうえで欠かせないステップです。
2.出費は価値観で線引き
出費を価値観で線引きすることで、子育て世帯の家計を見直しやすくなります。
自分たちが大切にしたいものを軸にすることで、支出の優先順位を判断しやすくなるからです。
たとえば、家族の時間を大切にしたいならレジャー費を、子どもの学力強化を重視したいなら塾を優先するなど、いろいろな選択価値観が考えられます。
すべてを実現しようとするのではなく、あらかじめ家族で優先度を話し合っておくことで、日々の支出に迷いが生じにくくなります。
出費の線引きを価値観にゆだねることは、心と家計の両方にゆとりをもたらす第一歩です。
3.がんばらない節約
がんばらない節約を取り入れることで、子育て世帯の家計を見直しやすくなります。
なかでも、いちばんのおすすめは固定費の見直しです。
固定費とは、家賃・保険・通信費など、毎月ほぼ一定で発生する支出のことを指します。
一度見直すだけで節約効果が長く続くため、日々の我慢や努力に頼らず、自然に支出を減らせるのがメリットです。
たとえば、スマートフォンの料金プランを見直すだけでも、月に3,000円以上節約できることがあります。
さらに、保険の内容を整理したり、家賃が高ければ引越しを検討することで、月1万円以上の支出削減につながるケースもあります。
がんばらない節約の積み重ねが、子育てと家計の両立を助けてくれます。
4.公的支援制度の活用
公的支援制度を活用することで、子育て世帯の家計を見直しやすくなります。
国や自治体からの補助を受けることで、必要な支出への備えに安心感が生まれるからです。
たとえば、児童手当は、子ども3歳未満が月額15,000円、3歳以上〜高校生年代までが月額10,000円(※第3子以降は30,000円)が支給され、進学資金の積み立てにも活用できます。
また、各自治体の「就学援助制度」では、小中学生の学用品費や給食費・遠足・修学旅行費などが支給対象となっており、中学生ではクラブ活動費やPTA会費が含まれることもあります。
高校生を対象とした「高等学校等就学支援金制度」では、世帯年収910万円未満の家庭に対し、公立高校の授業料が実質無償になります。
さらに私立高校にも一定額の支援があり、2026年度以降は支援拡充が予定されているため、より多くの家庭にとって心強い制度になるでしょう。
なお、支援の内容や条件は自治体によって異なるため、詳しくはお住まいの市区町村や在籍校に確認しましょう。
このように、公的支援制度を取り入れることが、家計を見直すうえで大きな支えになります。
子どもの経験と家計のバランスをとるには
「子どもの経験」と「家計」のバランスをとるための、2つの方法を解説します。紹介する方法は、以下のとおりです。
- 習い事は「目的」と「期待する成果」から選ぶ
- 地域の無料イベントや公共サービスを活用する
支出をかける場所を見極める視点を持つことで、子どもの成長と家計のバランスを取りやすくなるので、ぜひ参考にしてください。
習い事は「目的」と「期待する成果」から選ぶ
習い事は「目的」と「期待する成果」から選ぶことで、子どもにかかるお金と家計のバランスをとりやすくなります。
子どもにどんな力を育んでほしいかを明確にすることで、費用に見合った効果が得られているかを判断しやすくなるからです。
たとえば、「体力づくりが目的なら週1回のスポーツ系」「集中力を育てたいなら少人数制の教室」など、選ぶ基準がはっきりしていれば迷いも少なくなります。
選択肢が多いほど迷いやすくなりますが、軸を持つことでブレずに決めやすくなるでしょう。
また、習い事を続ける中で成果が見られないときは、子どもと話し合いながら軌道修正することも大切です。
「やめる=悪いこと」ではありません。目的を軸にすれば、必要なものに集中でき、家計とのバランスもとりやすくなります。
地域の無料イベントや公共サービスを活用する
地域の無料イベントや公共サービスを活用することで、子どもにかかるお金と家計のバランスをとりやすくなります。
自治体や図書館、児童館などが主催するイベントには、学びや遊びの機会が豊富に詰まっており、お金をかけずに多様な体験ができるからです。
たとえば、親子工作教室・読み聞かせ会・季節の自然観察イベントなどは、参加費が無料または数百円で済むことが多く、気軽に参加できます。
ただし、事前予約が必要な場合もあるため、自治体や施設の情報を定期的にチェックしておくと安心です。
地域の資源を味方につけることが、子どもの経験と家計の両立につながります。
がんばる親に届けたいもう1つの視点
ここまで、子どもにかかるお金と家計の整え方を見てきました。
しかし、忘れてはならないのが、親自身の人生です。
子育てにお金がかかるのは確かですが、心のゆとりと両立させる視点も大切です。
家計を整えることに集中しすぎると、自分の楽しみや学びを後回しにしてしまい、疲れや不満がたまりやすくなります。
一方で、親がやりたいことに前向きに取り組む姿は、子どもにとってのロールモデルにもなります。
たとえば、親が趣味や仕事の話を楽しそうにしていると、子どもが「自分もやってみたい」と興味を持つことがあります。
その結果、親子でおたがいの”好き”を応援し合えるような関係が育まれることもあるでしょう。
「家計の見直し=自分らしく生きるための土台づくり」という視点も、ぜひ大切にしてみてください。

